自首をすると刑が軽くなるって本当!?

自首をすると刑が軽くなる、というのは間違いではないですが正確ではありません。
今回は自首についてご説明します。

この記事は弁護士國府田豊が執筆しています。

目次

1 自首とは?

2 自首はどんな時に成立するの?

(1) 自発的に自己の犯罪事実を申告すること
(2) 自己の訴追を含む処分を求めること
(3) 捜査機関に対する申告であること
(4) 捜査機関に発覚する前の申告であること

3 自首をしたらどうなるの?

(1) 刑が軽くなるって本当?
(2) 逮捕はされないの?
(3) 国選弁護人でも自首をお願いできる?

4 出頭との違いは?

5 自首のご相談はぜひ北パブに!

1 自首とは?

自首とは、犯人が捜査機関に自発的に自己の犯罪事実を申告し、その訴追を含む処分を求めることを言います。

刑法第42条(自首等)
1項 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2項 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

2 自首はどんな時に成立するの?

自首が成立する要件は、大きくわけて4つあります。
 ① 自発的に自己の犯罪事実を申告すること
 ② 自己の訴追を含む処分を求めること
 ③ 捜査機関に対する申告であること
 ④ 捜査機関に発覚する前の申告であること
順にご説明します。

① 「自発的に」「自己の」犯罪事実を申告すること

・「自発的に」
自首は、捜査機関に対する犯罪事実の申告のことをいいますが、自ら進んで自発的に行う必要があります。
したがって、捜査機関の取調べに対して単に自白することは、自発的な申告とは言えず、自首は成立しません。
事件発覚前に犯人が何らかの犯行を捜査機関にほのめかしたため取調べが開始され、その結果自白するにいたった場合も自首は成立しません。
しかし、別件逮捕勾留中に、捜査機関に発覚していない余罪を自発的に供述した場合には自首が成立する可能性があります。

・「自己の」
自首は、自己の犯罪事実の申告である必要があります。
たとえどんな密接な関係にある人であっても、他人の犯罪事実について申告した場合は、その事実が自己の犯罪事実と密接な関係にあり自分が処罰を受ける結果になったとしても、自首は成立しません。

※北千住パブリック法律事務所にご依頼いただければ、自首が成立する可能性についてご一緒に検討します。自首が成立するか迷われている方は、ぜひ一度北パブにご相談ください。

② 自己の訴追を含む処分を求めること

申告には、自分の訴追を含む処分を求める趣旨が含まれていることが必要です。
申告の内容が犯罪事実の一部を意図的に隠すものであったり、自分の責任を否定しようとするものであるときは、自首が成立しません。
申告内容の一部に虚偽が含まれていた場合であっても、犯罪事実を申告したと認められるような場合には、自首が成立したという判例もあります。

※北千住パブリック法律事務所にご依頼いただければ、自首が成立する可能性についてご一緒に検討します。自首が成立するか迷われている方は、ぜひ一度北パブにご相談ください。

③ 捜査機関に対する申告であること

自首は、捜査機関(検察官又は司法警察員)に対してしなければなりません。
そして、自首は、書面又は口頭でしなければなりません。
基本的に代理人による自首は認められませんので、弁護士に依頼をする場合には、弁護士が警察署に同行して自首をすることになります。

※北千住パブリック法律事務所にご依頼いただければ、自首が成立する可能性についてご一緒に検討します。自首が成立するか迷われている方は、ぜひ一度北パブにご相談ください。

④ 捜査機関に「発覚する前」の申告であること

「発覚する前」
発覚とは、犯罪事実及び犯人の発覚をいいます。
犯罪事実が全く発覚していない場合はもちろん、犯罪事実は発覚していても犯人が誰か発覚していない場合には「発覚する前」にあたります。
もっとも、犯罪事実及び犯人が発覚している場合で、単に犯人の所在だけが不明である場合は含まれません。

※北千住パブリック法律事務所にご依頼いただければ、自首が成立する可能性についてご一緒に検討します。自首が成立するか迷われている方は、ぜひ一度北パブにご相談ください。

3 自首をしたらどうなるの?

⑴ 刑が軽くなるって本当?

自首をすると、刑が任意的に減軽されます。
つまり、裁判官の裁量によるので、必ずではありませんが(任意的)、刑が軽くなる可能性があります。
どれくらい刑が軽くなるかは法律に規定があります。

刑法第68条(法律上の減軽の方法)
法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。
一 死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁錮とする。
二 無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
三 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
四 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
五 拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
六 科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。

これを簡単に表にするとこうなります。

法定刑 減軽後 
死刑 無期懲役・禁錮、10年以上の懲役・禁錮 
無期懲役・禁錮 7年以上の有期懲役・禁錮 
有期懲役・禁錮 長期及び短期の2分の1 
罰金 多額及び寡額の2分の1 
拘留 長期の2分の1 
科料 多額の2分の1 

仮に起訴されてしまったとしても、自首が成立して刑が減軽された結果、執行猶予付きの判決が獲得できる場合もあります。

執行猶予については、こちらの記事をご覧ください。

⑵ 逮捕はされないの?

自首が成立したとしても逮捕されてしまうことはあります。 
もっとも、逮捕されてしまうのは、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれが認められる場合ですので、自首をすることで罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれが認められなくなった場合には、逮捕されずに捜査がされる在宅事件となることもあります。 

在宅事件(在宅捜査)については、こちらの記事をご覧ください。 

⑶ 国選弁護人でも自首をお願いできる?

自首は、逮捕される前にする必要がありますので、逮捕勾留された後に選任できる国選弁護人では、基本的には自首に対応することができません。
自首をお考えの方は、逮捕されてしまう前に是非北千住パブリック法律事務所にご相談ください。

国選弁護人と私選弁護人の違いについては、こちらの記事をご覧ください。

4 出頭との違いは?

出頭とは、捜査機関等に自ら出向くことをいいます。
自首も出頭も、捜査機関に自ら出向く点では共通しています。
しかし、以下のような違いがあります。

  自首 出頭 
時期 捜査機関発覚 捜査機関発覚前後(いつでも可) 
自白の要否 必要 不要 
刑の減軽 可能性あり任意的減軽) 可能性なし規定なし) 
方法 書面又は口頭 捜査機関等に直接出向く 

5 自首のご相談はぜひ北パブに!

弊所は、特に刑事事件に力を入れて活動しており、逮捕される前段階の事件のほか、逮捕されてしまった事件や裁判段階の事件について豊富な経験があります。
東京都内はもちろん、千葉・神奈川・埼玉などにも出張します。
お困りの際は、お一人で悩まず、ぜひ足立区の北千住パブリック法律事務所にご相談ください。
弁護士があなたやご家族の強い味方になります。

初めてご相談される方へ
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