過失運転致傷罪とは、自動車の運転上必要な注意を怠り、その結果人に怪我を負わせてしまった場合をいいます。過失運転致死罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、その結果人を死亡させてしまった場合をいいます。
自動車の運転による過失致死傷については、平成26年5月20日より、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」によって処罰されることになっています。
運転中によそ見をして人身事故を起こしてしまった場合、運転を誤って人身事故を起こしてしまった場合などがこれにあたります。
この罪で処罰されると、7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金が科されることになります。(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)
実際に科される刑については、運転行為の態様、被害者のけがの程度、示談の有無などが考慮されます。執行猶予になることも少なくありません。
過失運転致死傷の事件では、示談に向けた活動を行うことが必要です。運転行為そのものの態様、被害者のけがの程度なども重要ですが、謝罪と示談も重要となります。被害者との示談が成立すれば、不起訴や略式起訴(罰金)となる可能性が高まります。
起訴前に弁護人となった場合には、被害者との示談交渉や保険会社との交渉などを行い、その結果を意見書とともに検察官に報告し、不起訴や略式起訴となるよう活動していくことになります。
起訴後に弁護人となった場合には、被害者との示談交渉を行い、再犯防止に向けて取り組んでいることなどを主張立証し、執行猶予付き判決や罰金刑を求めていくことになります。
飲酒運転とは、酒気を帯びた状態で車両を運転することをいいます。道路交通法では、酒気帯び運転と、酒酔い運転を分けて規制しています。
酒気帯び運転とは、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを身体に保有した状態で車両を運転することになります。
酒酔い運転とは、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車両を運転することをいいます。
それを越えて、酩酊した状態で車両を運転して事故を起こし、その結果人にけがを負わせた場合には危険運転致傷罪が成立し、人を死亡させてしまった場合には危険運転致死罪が成立します。
居酒屋などで飲酒をした後に運転をした、自宅で飲酒してから車を運転したような場合があたります。
①酒気帯び運転は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
②酒酔い運転は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
③危険運転致傷は、酩酊の故意があるときは15年以下の懲役、酩酊の故意がないときは12年以下の懲役
④危険運転致死は、酩酊の故意があるときは1年以上の有期懲役、酩酊の故意がないときは15年以下の懲役
再犯防止に向けた取組みを検討し、検察官に報告して有利な処分となるように活動します。反省を現すため贖罪寄付を行うことなども考えられます。
飲酒運転の上で人身事故を起こしてしまった場合は、できるだけ早く被害者と示談交渉を行い、示談成立を目指します。示談の有無は、検察官が最終的な処分を決める上で重要な考慮要素となるからです。
運転免許を持たない人が、自動車などを運転した場合に成立します。
運転免許を取得していないのに自動車を運転した場合や、免許停止の処分中に運転をしたり、免許取消処分を受けた人が運転した場合もこれに当たります。
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
日常的に無免許運転を繰り返していた場合や無免許かつ飲酒運転の場合は、起訴される可能性があるといえます。
このような場合、行為が悪質で反省していないなどの事情があるときは、実刑となる可能性も否定できません。
反省文を作成したり、贖罪寄付などを行うなどして、反省の意思を現すことが重要です。当事務所では、少しでも有利な結果となるよう全力でサポートいたします。