保釈について

このページは、弁護士諸橋仁智が執筆しています。 

目次

1 保釈とは

2 保釈の申請

3 保釈が認められるか?

4 保釈の条件

5 保釈金の相場

6 不服申立て

7 再保釈

8 東京地裁の保釈手続きは当事務所へ

1 保釈とは


保釈金を納めて、一時的に(判決までの期間)釈放される制度です。
起訴された後の手続きですから、起訴前の勾留中(20日間)は保釈手続きを利用できません。

原則的に保釈金はすべて戻ってきます。
しかし、保釈の際に定められる条件を遵守しないと保釈金を没収さることもありますので注意しましょう。

2 保釈の申請


起訴された後なら、いつでも何回でも申請できます。基本的に弁護人が申請します。被告人本人の保釈申請は非常に難しいです!

手続きは、以下の流れで進みます。
① 保釈を申請
② 検察官が保釈に対する意見
③ 裁判官の決定

① 保釈を申請
身元引受書、制限住居、本人の誓約書、保釈金の準備をして申請します。

② 検察官が保釈に対する意見
検察官の意見がでてこないと裁判官の決定がされません。
東京地裁では、検察官の意見に数日間かかることが多く、他の裁判所に比べて決定が遅れる傾向にあります。決定まで1週間かかることもあります。

③ 裁判官の決定
却下か許可かを判断するのは裁判官です。
第一回公判後は、公判を担当した裁判官が決定します。そのため、公判での被告人の供述も判断材料となります。

3 保釈が認められるか?


以下の場合(刑事訴訟法89条)、保釈が認められづらい傾向にあります。
※認められる場合もあります。
⑴ 死刑・無期・短期1年以上の懲役・禁錮にあたる罪を犯した場合
⑵ 過去に死刑・無期・長期10年を超える懲役・禁錮にあたる罪で有罪の宣告を受けたことがある場合
⑶ 常習として長期3年以上の懲役または禁錮にあたる罪を犯した場合
⑷ 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある場合
⑸ 被害者や事件の関係者、その親族などに対して、身体・財産に危害を加える、または畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由がある場合
⑹ 被告人の氏名または住居がわからない場合

特に問題となるのが、
⑷ 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある場合です。
取調べに否認・黙秘しているということを理由に、⑷に該当するとして保釈が認められないことはよくあります。

しかし、上記⑴〜⑹に該当しても保釈が認められることはあります。
諦めずに何度も申請をしてみるということは重要です。

4 保釈の条件

・裁判所から呼び出しを受けたら必ず出頭する
・制限住居を指定される
・3日以上の旅行(2泊3日も含む)は裁判所の許可が必要
・被害者や事件関係者との連絡は弁護人を通してしなければならない

一般的にこれらの条件が指定されます。
違反した場合には、保釈の取消し、保釈金の没収といったペナルティもありますので、必ず条件を遵守しましょう。

5 保釈金の相場


150万円〜300万円となることが多いです。
しかし、事案(事件の重大性、共犯の有無、被告人の属性・経済力など)により保釈金の額は上下します。そのため、相場がいくらということは難しいでしょう。参考として、以下のようなケースがあります。
⑴ 30代会社員、初犯、大麻所持、容疑を認めているケース起訴後すぐに、150万円の保釈金で保釈許可
⑵ 70代無職、同種前科あり、飲酒運転、容疑を認めているケース起訴後すぐに、100万円の保釈金保釈許可
⑶ 20代無職、初犯、振込め詐欺の受け子、容疑を認めているケース起訴後すぐに、150万円で保釈許可

6 不服申立て

保釈却下の決定に対して
第一回公判前なら準抗告
第一回公判後なら抗告
手続きがあります。

不服申立てに対する判断においては、判断の理由が記載されます。←保釈却下の決定書には記載されない個別事情にも触れられます。

不服申立てで判断が覆り認められることもあります。
当初の判断とは別の裁判体が判断します。
却下されてもあきらめずに不服申立てを弁護人に相談しましょう。

7 再保釈

保釈の効力は判決までのため、実刑判決が宣告されると身体拘束されてしまいます。
実刑判決について確定や上訴をする前に、一審弁護人は再保釈の申請ができます。

再保釈では、当初の保釈よりも保釈金が増額されることがほとんどです。
当初の保釈金を流用(納めたまま)にして、増額分だけ納付することも許されます。

刑事手続きに精通していない弁護士だと再保釈の手続きを知らないことがあります。その場合は当事務所までご相談ください。

8 東京地裁の保釈手続きは当事務所へ

保釈手続は、刑事事件に精通した弁護人のほうが、申請のスピード・保釈の認められる可能性などの点でとても有利です。
また、東京地裁に独自の運用(申請窓口や保釈金の納付など)があります。
東京地裁の刑事事件を多数担当している当事務所の弁護士を選任することをおすすめします。