このページは弁護士諸橋仁智が執筆しています。
覚せい剤は、使用すると脳の中枢に作用して異常な興奮をおこします。|
私たちの脳は、例えば人から褒められると、脳の報酬系という部分が興奮し、快感を感じます。
この快感をもう一度味わおうとして、また人から褒められるように努力するという形で、報酬系は、快感を通じて私たちの行動に影響を与えます。
覚せい剤は、このような脳の報酬系を興奮させるので、使ってはいけないと分かっていても、もう一度覚せい剤を使いたいという気持ちが生じてしまいます。
そして、それまで大事だった財産、家族、仕事などを犠牲にしてでも覚せい剤のことを考えるようになり、気付くと、止めたいと思っても容易に止められないという状況になっている場合があります。
これが覚せい剤の依存性です。
もちろん、覚せい剤の使用は犯罪です。そして、次に述べるとおり、有罪になる回数が増えるほど、量刑は重くなっていきます。
刑務所に行かなければ行けなくなったり、大切な人に辛い思いをさせてしまったりすることになってしまいます。
また、覚せい剤の密売は暴力団の資金源となっていると言われ、社会的な問題もあります。
それでも覚せい剤の再犯率は高く、その依存性の強さが分かります。
依存症から回復するためには、自分や家族だけで何とかしようとするのではなく、このような依存症の特性について正しく学ぶとともに、自助グループなど適切な場を通じて回復の道を歩んでいくことが大切です。
覚醒剤取締法、麻薬特例法に定められている刑罰
営利目的なし | 営利目的あり | 業として | |
使用・所持・譲渡譲受 | 10年以下の懲役 | 1年〜20年の懲役 | 5年〜無期の懲役 |
輸出・輸入・製造 | 1年〜20年の懲役 | 3年〜無期の懲役 | 5年〜無期の懲役 |
※「営利目的」とは、薬物の密売により利益を上げる目的です
※「業として」とは、密売を反復継続しておこない事業執行といえる場合です
「営利」目的や「業として」を認定されると、非常に重たい刑罰(初犯でも実刑の可能性が高い)となります。
実際の量刑は、以下のようになることが多いです。
初犯 :懲役1年6月執行猶予3年。
2回目 :実刑1年6月くらい。
3回目 :実刑2年くらい。
3回目 :実刑2年6月くらい。
4回目以降:実刑3年くらい。
前刑が相当以前(10年くらい前)の場合、2回目以降でも執行猶予となるようです。
覚醒剤事件の多くが職務質問をきっかけに発覚しています。
職務質問の所持品検査は任意ですが、拒否することは非常に難しいでしょう。
職務質問中の警察官の対応があまりに強引な場合、違法捜査として押収された証拠の証拠能力が否定されることもあります。
その依存性の高さから、覚醒剤事件は再犯率が非常に高いです。
過ちを繰り返さないためにも、薬物依存の治療をすべきでしょう。
・自助グループへの参加
・行政が提供しているプログラム
・依存症治療に取り組んでいる精神科に通院
などがあります。
「2 刑罰」でのべた通り量刑がほぼオートメーションに決まってしまいますから、私選弁護人を選任するメリットは少ないと感じるでしょう。しかし、
・起訴後にすばやく保釈請求、再保釈や控訴保釈にも対応
・警察の違法な捜査を争う
・薬物依存治療につなげる
当事務所の弁護士であれば、覚醒剤事件の経験が豊富ですから、上記の対応を提供できます。
まずは、当事務所までご相談ください。
覚醒剤事件に悩むあなたに寄り添い、ベストなアドバイスを提供します。
関西大学法科大学院修了
2015年弁護士登録
ボクシング
素振りを1本でも多くやったやつが勝つ
クライアントを全力で守ります!行政(捜査機関含む)や大企業などが相手でもお任せください。あらゆる権力からあなたを防御します!刑事・民事共に「熱心弁護」の精神で取り組みます。